ギフト向けのインプラント 歯科医院
デフレ時代を迎えた。
いままで昼食代に800円支払っていたサラリーマンの皆さんが、250円の「かけそば」に変更したとか、59円の「M」に変更したとか、その類の話には事欠かない。
そんななか医療費だけはうなぎのぼりの成長だ。
毎年1兆円、ここ10年で平均4.6%の増加であるという。
もちろんこれは、巷にいわれているように否定的な要素ばかりから成り立っているわけではない。
医療費には2面性がある。
つまり、病気を治すための「費用」という考え方と、積極的に健康を維持するための「投資」とする考え方だ。
私自身は医師でもあり、少しでも多くの患者に最先端の医療を受けてもらいたいと考える、いわば「投資」派であるが、その私でも時々あれと思うことがある。
名前を出すと差しさわりがあるので仮にH病院としておくが、私はそこで簡単な陥入爪(巻き爪)の手術を受けた。
時間は約10分、そこでの私への請求額はなんと3500円であった。
私は健康保険組合員なので、その時点では2割負担である。
さすれば10分で、3500円×5=1万7500円の医療費が発生したことになる。
おまけにこの病院は医薬分業なので、薬剤代は発生していない。
これが3割負担では3500円の1.5倍である5250円の負担であるし、家族であればすでに3割負担であるから、同様に5250円が請求されることになる。
はっきり確認したわけではないが、これはおそらく、局所麻酔や手術料などいろいろな点数をつけたためであると思う。
さすれば請求は正しいことになる。
しかし、請求内容の明細を明らかにしないことは病院にとって決して得にはならない。
現行の医療法では、医療費の値下げは認められていない。
であれば、対応策として割高感を持つであろう患者には窓口で詳しい説明をすべきであろう。
今後、こういった対応の差が病院のイメージに大きな影響を与えることは想像にかたくない。
健康保険法の改正で、2003年4月からサラリーマンの本人負担が3割となった。
すでに、2002年10月より高齢者外来での負担上限が引き上げられている。
それまでの負担上限は月額3000〜5000円(2002年4月から3200円〜5300円)であったが、1万2000円へと大幅に引き上げられたのである。
高齢者であっても窓口で支払う負担額の上限が1万2000円となり、さらに年収630万円以上の高収入者は負担上限が月額4万200円になった。
さらに、中小企業対象の政府管掌保険の保険料が、従来ボーナスについては収入として勘案されていなかったものが、ボーナスも含められた。
つまりボーナスからも保険料がとられるので、保険料の実質引き上げということになる。
さらに、泣きっ面にハチで、保険料率もボーナスを含む年収ベースで8.2%(現行7.5%)に引き上げられる。
「医療にかかる費用が高い」と、最近よくいわれるようになった。
ここでいう「費用が高い」というのには2つの意味がある。
ひとつは国全体の国民医療費が高い、ということで、もうひとつは自分の払う医療費が高い所ということだ。
しかし、一般にはこの2つが一緒になって、あちらこちらで「医療費(用)が高い」との言葉が聞かれるようになった。
しかし、本当に日本の医療賀は高いのだろうか。
後者の意味、つまり、われわれの払う医療費が高いのかどうかということは、本書のテーマなので、皆さんと順に考えていくことにして、まず、国民医療費そのものが高いのかを考えてみよう。
確かに、厚生労働省の統計でも国民医療費は年々上昇し続けることが予想される。
2000年で約30兆円といわれているが、30兆円というのはかなりの額だ。
この膨大な額を具体的にイメージするために、他の業種と比べてみると、パチンコ産業が30兆円近い規模であるし、自動車産業も30兆円近い業種である。
この高額の医療費が、2025年、つまりいまから20数年経つと81兆円、2.7倍ぐらいになるといわれている。
参考までに、少し前の医療費をみてみると、たとえば1989年はたったの16兆円しかなかったのだから(厚生労働省の資料による)、極めて急速な伸びであることがわかる。
そこで何が問題になるかというと、国の財政が現在赤字を抱えている、つまり国の予算を切り詰めなければならない状況にあるというところが重要なのである。
緊縮財政のもとで医療費がどんどん増えていってしまうことは非常に困る、というのが厚生労働省や財務省の意見である。
もう少し細かくその内容をみてみると、2000年度では約30兆円の医療費のうち、お年寄りの医療費、つまり70歳以上の医療費が3分の1ぐらい、約10兆円を占めている。
さらに、この推計でいくと、2025年には81兆円の56%、45兆円になるという。
すなわち、年齢の若い現役世代があまり医療費を使っていない一方、お年寄りに多くの医療費がかかっているという状況になるわけだ。
いままでに書いてきたことから、医療費自体が年々増えていることはおわかりいただけたと思う。
また、今後も増加を続けるということも論をまたない。
ただ、これは日本における過去との比較なので、他の国と比較して、本当に日本の医療費が高いかどうかということを検証しなければならない。
その観点で、他国との医療費を比較してみよう。
日本、アメリカ、フランス、ドイツなどが加盟しているOECD(経済協力開発機構)という、先進国のクラブのような団体があるが、そこで医療費の対GDP比あたりの国際比較をしている。
GDP(グロスドメスティック・プロダクト国内総生産)とは国全体の生産力を表す指標で、この比較は、国全体が持っている力の何%を医療に使っているかという観点でみる考え方だ。
対GDP比でみると、アメリカが約14%なのに対し、日本は約7.3%である。
つまり医療費がダントツに高いのがアメリカになる。
アメリカでは何が起きているのだろうか。
1999年にアメリカはGDPのうち約14%、約150兆円を医療費に使っている。
これは2000年の日本の医療費の約5倍にあたる。
実際、アメリカには通信やITといった世界に冠たるいろいろな産業があるが、医療産業はそのアメリカでナンバーワン産業である。
対GDP比14%というのはそれぐらいの意味がある。
また、ドイツやフランスなども、対GDP比の医療費が日本より高い国々である。
1997年には、ドイツではこの比率が10.45%、フランスは9.88%であった。
逆に、OECDの先進国のなかで日本より医療費が低い国は、6.69%のイギリスしかない。
つまり対GDP比という国際的な比較でみると、日本の医療費というのは決して高くはないということがいえる。
ところで、医療費が先進国のなかで一番低いイギリスにおいてはどうか。
ここでは日本とは逆に医療費を増やそうとしているのが興味深い。
いいかえれば医療費が低いということは、国民が安心して医療を受けられないということにつながる。
イギリスでは、たとえばがんの手術をしようとしても1年近く待たなければいけないなどという、笑えない話がある。
もうひとつの医療費に対する見方として、国民一人あたりの医療費を比較する方法がある。
これでみてもやはり、アメリカはダントツに医療費が高い。
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